カナダの中のフランス ケベック・シティー

カナダにある州のひとつケベックは「カナダの中のフランス」と呼ばれ、北米におけるフランス文化発祥の地として知られています。このケベック州の州都であるケベック・シティーにはフランスの文化が色濃く残っており、本国以上にフランスの文化が守られています。現在では住民の80パーセント以上をフランス系の人々が占め、フランス本国でも使われなくなった古いフランス語を公用語としています。

バイリンガルが多い州

現在のカナダでは英語とフランス語の2ヶ国語を公用語としていますが、国内で両方の言語を話せる人は全人口の17%ほどです。しかし、これをケベック・シティーのあるケベック州で見てみると、英語を話す人がフランス語も話せる割合は69%にもなります。

これはケベック州がカナダの中で唯一、公用語を「フランス語のみ」としており、州都やアメリカと国境を接する地域以外では英語が通じなかったため、フランス語の習得は生活する上で必要不可欠なものだったという事情が大きく影響しています。

ケベック旧市街 歴史地区の特徴

ケベックというのは先住民の言葉で「狭い水路」を意味しています。州内を流れるセントローレンス川が、ダイヤモンド岬と対岸のレヴィに接近した地点で狭くなっていることから付けられたとされています。街の周囲を城壁で囲まれた城郭都市としては北米で唯一現存しているもので、街そのものが観光資源にもなっています。

現在のケベックのある地はフランス人が入植を始めて以降、先住民、イギリス、アメリカと様々な人たちがその覇権を巡って争ってきた地でもあります。その戦いの果てに培われた独自の文化と街並みは、そこに住む市民の誇りでもあります。

そんな歴史を持つケベック旧市街の特徴と言えば、街全体に広がるヨーロッパを思わせる建物たち。近代的な建物が多い北米の街の中で、ケベックの街並みはまるで中世にタイムスリップしたかのような雰囲気を漂わせています。

ケベックの見所

フランスの影響が色濃く残るケベックには、その歴史を物語るかのように古典的で重厚な建物が多く存在しています。その中のひとつ「シャトー・フロンテナック」は17世紀後半から建設が進められ、19世紀に完成したというヨーロッパの古城を思わせる高級ホテルです。約2世紀に渡って増築され続けたこの建物は高層棟とそれを取り巻く5塔の低層棟で構成され、世界中から歴史情緒と高級感を求めた観光客を受け入れています。このホテルに泊まることを目的にケベックを訪れる旅行者も少なくありません。

またこのシャトー・フロンテナックから歩いて2分ほどの場所には、アメリカ大陸で最初の聖堂と言われる「ノートルダム聖堂」があります。入植者たちと一緒に海を渡ってきた聖職者たちが建てたこの聖堂はその建物自体がバロック様式の傑作だと言われており、内部に保管されているフランス統治時代の資料や宝物からはケベックがフランス文化圏であることを実感することができます。

ケベックには他にもジャンヌ・ダルクの像がある戦場公園やイギリスとフランスの戦いの舞台にもなった「ラ・シタデル(ケベック要塞)」など、その見どころは旧市街および新市街、郊外にまで広がっています。観光の範囲が広いので現地発のツアーを申し込むか、レンタカーでの移動がおすすめです。

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