中国文化のパワースポット、泰山

泰山は中国の山東省泰安市にある山です。この山は古くから道教の聖地であり、最も神聖な場所とされてきました。そんな泰山は1987年に世界遺産に登録されましたが実は世界遺産の中でも珍しい世界遺産なのです。

さまざまな宗教の聖地

この山は古くから道教の聖地でした。泰山府君という神様を祀っており、病気や寿命、死後の世界などの生死にかかわることにご利益があるといわれています。後漢の頃に泰山の山頂に人間の寿命の定数が記録された帳簿がおかれているという信仰もありました。唐の頃になるとその帳簿を管理する人間界同様の組織があると考えられるようになり、そのころから泰山府君を初めとした神様が現れるようになりました。宋の頃になると碧霞元君という泰山府君の娘とされる女神が信仰されるようになります。

この神様は女性にご利益があるとされその後の泰山信仰に大きく影響し、明の頃になると本来の主神である泰山府君を超える人気があったそうです。現在は泰山府君を祀る建物で中国の三大建築の一つである岱廟の他にも参道には三国志の関羽を祀る関帝廟、碧霞元君を祀る碧霞宮などさまざまな道教の寺院があります。道教以外の宗教にも泰山は影響を与えました。後漢代に中国には仏教が伝わったとされますが、そのころの経典の中に「太山地獄」とあり、泰山の地下深くには地獄があると考えられていました。

歴史的には五胡十六国時代に多数の諸侯から尊敬を集めていた竺僧朗という僧がここに住み着いたことに始まります。この僧が住み着いた谷に寺が建てられことにより泰山に仏教寺院が建てられるようになりました。普照寺や霊厳寺などの寺が現存しており、霊厳寺は10世紀頃に日本からの仏教の留学生が多く訪れています。また、儒教の創始者である孔子が泰山を訪れていたことから儒教にまつわる建物も多く、僧の頃には泰山学派という儒学者が住んでいました。

歴代の皇帝も訪れる山

このような宗教的な聖地として多くの建物や信仰を集める山ですが、歴代の皇帝にとっても泰山は重要な山でした。この山では封禅という儀式が行われていきました。封禅とは帝王が天と地に王の即位を知らせ、天下が太平であることを知らせる儀式です。司馬遷の史記によると、72人の帝王がこの儀式を行ったとありますが伝説の話もあるため詳細は分かっていません。

歴史上、実際に行ったのは最初の皇帝である始皇帝でした。始皇帝は大陸を統一した後、この山に登り封禅の儀式を行う計画を立てます。しかし、すでに儀式の知識はなくなっており、学者に調べさせましたが結局我流で行ったそうです。この時のことを記した石碑が現在も残っています。その後も泰山では漢や隋・唐・宋・清の有力な皇帝によって封禅が行われてきました。

泰山についてご説明しましたがいかがでしたでしょうか?この山は豊かな自然の中に各時代を通じた建築物や封禅などの今は失われた文化の遺物や記録、現在にまで続く道教や仏教などの文化がいまだ残る場所になっています。このことから、世界遺産の登録基準をすべて満たした世界遺産として登録されています。さまざまな神様を祀る山ですのでパワースポットとしても有名です。中国にお立ち寄りの際はぜひ行ってみるとよいでしょう。きっと幸運を授かることができます。

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